1尺、1間、1畳、1坪とは
戸建て住宅の寸法は、普段あまり聞きなじみのない単位を使います
まず、長さの単位としては、「尺(しゃく)」、「間(けん)」を主に使います
- 1尺(いっしゃく)= 約303mm
- 3尺(さんしゃく)= 約910mm = 半間(はんけん)
- 6尺(ろくしゃく)= 約1820mm = 1間(いっけん)
となります
次に、面積の単位としては、「畳(じょう)」、「坪(つぼ)」を使います
- 0.5間×1.0間=1畳(いちじょう)=約1.65㎡
- 1.0間×1.0間=1坪(ひとつぼ)=約3.3㎡
となります
1畳は、畳一枚分だね!
この記事では、これらの寸法がどのように戸建て住宅の設計に取り入れられているかを解説し、マンションの設計との違いについて解説します
モジュールによる設計とは
マス目に沿った設計
戸建て住宅では、モジュールというマス目に沿って設計をしていきます
そして、各ハウスメーカーや工務店の設計者は、そのモジュールを使い続けているため、設計を行う際には、
- トイレ 1×2マス
- 風呂 2×2マス
- 洗面・脱衣室 2×2マス
- 廊下 1マス×長さ
という感じで、パズルのように組み合わせて、スピーディーに設計をすることができます
尺モジュール・メーターモジュールとは
尺モジュールの場合は、3尺=0.5間=約91cm、メーターモジュールの場合は1mを基本モジュールとして設計を行います
建築の部材は、尺モジュールで生産されていることが多く、多くのハウスメーカーや工務店は、尺モジュールを使用しています
しかし、ハウスメーカー最大手の積水ハウスがメーターモジュールを採用しているように、メーターモジュールもめずらしくはありません
尺モジュール・メーターモジュールのどちらが良い?
尺モジュールとメーターモジュールどちらが良いかという議論がありますが、これは完全にケースバイケースです
メーターモジュールの方が大きいから広い家が建つと思われているかたもいらっしゃるかもしれませんが、同じマス数が入るのであればもちろんメーターモジュールの住宅の方が大きくなりますが、尺モジュールで6マス入る土地が、メーターモジュールの場合5マスしか入らない可能性も大いにあります
どちらのモジュール採用しているかで、ハウスメーカーや工務店を選ぶのはおすすめしません
マンションの設計者がモジュールを嫌う理由
マンション設計にはモジュールがない
マンション設計では、モジュールというものがありません
マンションにも畳はあるのでは?と思われるかもしれませんが、部屋の大きさに合わせて畳の寸法を決めればよいので、全く気にしません
モジュール設計は、必要な大きさに合わない可能性がある
尺モジュールであれ、メーターモジュールであれ、設計をしている必要な寸法がモジュールに合わない場合が出てきます
その時に、必要寸法より小さくすることはできませんので、どうしてもモジュールに合わせて大きめの寸法を採用するしかなくなります
戸建てと比べて建設費が高いマンションの場合は、少しの面積の増加であっても、大きなコストアップとなりますので、少しでも無駄な面積を減らす必要があります
例えば、一般的なマンションのトイレは、幅780mm×奥行1250mmなのに対し、
戸建て住宅のトイレは、幅780mm×奥行1690mmと、奥行が大きくなります
これは、尺モジュールで奥行を1間とする方が設計しやすいため、1間の内寸である1690mm程度が奥行となっているためです
マンションの設計者からすると、無駄ではないかと思われる設計です
最後に
最後までご覧いただきありがとうございます
今回は、寸法の説明とモジュール設計について解説しました
戸建てとマンションは設計の考え方が大きく違います
考え方の違いの背景には、モジュール設計というものがあるということを意識していただければ、今後戸建て住宅の設計を進めていく中で、「これはモジュール設計だから、この寸法なんだな」と感じていただけると思います
今回の記事がみなさんの住宅購入の一助になれば幸いです
本日もありがとうございました!
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