ワイドスパンの定義とは
バルコニーなどの主要開口部の間口が広い間取りを、ワイドスパンと呼びます。
明確な定義はありませんが、間口が7m以上であれば、ワイドスパンと呼ばれることが多いようです。
色んなサイトで、選ぶならワイドスパン型のマンションを選びましょう!とよく言われており、とても人気のある間取りとなります。
この記事では、そんなワイドスパンと呼ばれるマンションの間取りのメリット・デメリットについて解説します。
- どんな間取りがワイドスパンなのか知りたい
- ワイドスパンのメリット・デメリットを知りたい
ワイドスパンには2種類ある

一律にワイドスパン型の間取りと言っても、ワイドスパン型の間取りには、主要開口部(バルコニー側)と反対側の面に窓があるかないかによって、大きく2種類に分かれます。
片面採光ワイドスパン
主要開口部(バルコニー側)と反対側の面に窓がないパターンのワイドスパンを、本記事では「片面採光ワイドスパン」と呼びます。
片面採光ワイドスパンは、タワーマンションなどでよく採用されるコア型や中廊下型と呼ばれる間取りに多いパターンとなります。
コア型や中廊下型の間取りでは、採光を取れる面が限定されるため、ほとんどのパターンで必然的にワイドスパンになります。
両面採光ワイドスパン
一方、主要開口部(バルコニー側)と反対側の面に窓があるパターンのワイドスパンを、本記事では「両面採光ワイドスパン」と呼びます。
両面採光ワイドスパンは、最もよく用いられる片廊下型や、ツインクリドール型、ボイド型で採用される形式となります。
一般的に望ましいと言われているワイドスパンはこの両面採光ワイドスパンとなります。
片面採光ワイドスパンのメリット・デメリット

片面採光ワイドスパンのメリット
バルコニー側の間口が広い
まず、ワイドスパンのメリットとして挙げられるのは、バルコニー側の間口が広いことです。
バルコニーがある場合は、洗濯物をたくさん干すこともできますし、規約で禁止されていなければ、植木を置くこともできます。
また、何よりも住戸内にいる際の開放感を感じることができるでしょう。
住戸内の廊下が短い
ワイドスパン型の間取りは、間口が広い分、奥行が狭くなることが多く、住戸内の廊下が短くなる傾向があります。
住戸内の廊下が短いと、部屋として有効に使用できる面積が多くなりますので、住戸全体の面積だけでなく、廊下の面積を意識しておくと、ワイドスパン型の間取りのメリットを感じることができるかもしれません。
他者からプライバシーを確保しやすい
共用廊下側に窓がない間取りの特徴として、他者からのプライバシーを確保しやすいというメリットがあります。
共用廊下側に窓があると、どうしても共用廊下を通る人の気配を感じてしまいますが、共用廊下側に窓がない場合は、そういった心配もありません。
片面採光ワイドスパンのデメリット
通風が取れない
一方、片側採光ワイドスパンの間取りは、片面にしか窓がないため、通風面では不利となります。
窓があっても、対角線上に窓がないため、風が通りにくくなるためです。
これは、片面採光の大きなデメリットです。
採光が有利とは限らない
片面採光ワイドスパンは、バルコニー側の採光面が広くなっていますが、それ以外の面から採光が取れないため、住戸全体として考えると、採光面が少なくなっている可能性があります。
家族間のプライバシーを確保しにくい場合も

片面採光ワイドスパンは、複数の部屋が同じ面に向かって設けられているため、リビングダイニングを通って個室に入る間取りになりがちです。
リビングダイニングに面する個室は、出入りする際にリビングダイニングを通らなければならず、音も聞こえやすいので、家族間のプライバシーを確保しにくくなります。
方角が望ましくない場合も
ワイドスパンの間取りは、南向きなど望ましい方角に面する住戸の数が少なくなることがデメリットです。
あなたの暮らしの中で問題ない方角に開口部があるか、チェックしておきましょう。
柱や梁が出てくる場合も

ワイドスパンの間取りは、ワイドスパンでない間取りと比べて、柱や梁が多く、そして大きくなる傾向があります。
特に、片面採光のワイドスパンの場合、柱・梁が室内に出やすくなりますので、内覧の際はよく注意しておきましょう。
両面採光ワイドスパンのメリット・デメリット
両面採光ワイドスパンのメリット

採光・通風が有利
両側採光ワイドスパンの場合、片側採光のワイドスパンと比べて、窓の面積が多く、採光に優れています。
また、両側に窓があるため、風が通りやすく、通風の面でも有利となります。
バルコニーが広い
両面採光のワイドスパンの場合も、片面採光のワイドスパンの場合と同じく、バルコニーが広くなります。
バルコニーを重視する場合は、バルコニーの面積は意識しておきましょう。
住戸内の廊下が短い
両面採光のワイドスパンの場合も、片面採光のワイドスパンの場合と同じく、間口が広い分、奥行が狭くなることが多く、住戸内の廊下が短くなる傾向があります。
つまり、部屋として有効に使用できる面積が多くなります。
両面採光ワイドスパンのデメリット
価格が高い
ワイドスパンになればなるほど、構造的に梁が大きくなり、建設コストがかかります。
また、梁が大きくなることにより、階高も高くなる可能性があります。
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当然、その費用は販売価格に反映されますので、ワイドスパンの住戸は価格も高額になる可能性が高くなります。
断熱性が低い
ワイドスパンの場合、窓の面積も大きくなるため、断熱性が低くなります。
築年数の古いマンションの場合、窓の断熱性も低くなっている場合が多いですので、注意が必要です。
共用廊下が長い
バルコニーの間口が大きくなるということは、同様に共用廊下の長さも長くなることになります。
共用廊下が長くなると、建設コストがかかるだけでなく、普段のエレベーターまでたどり着く時間もかかります。
ワイドスパンでないマンションと比べ、数秒だけかもしれませんが、毎日の積み重ねで大きな時間となります。
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他の住戸が狭いことも
本来、設計者は間口を極力狭く設計したいと考えています。
居住性を考えてワイドスパンにしようとする考えもありますが、すべてがそうではありません。
他の住戸が60㎡で、一部の住戸だけ70㎡としようとした場合、間口の広さで面積を調整することになり、結果として70㎡の住戸はワイドスパンになるという場合もあります。
つまり、同じマンションであっても、他の住戸はワイドスパンではなく、狭い面積という可能性もあるということです。
お隣の住戸は、ワイドスパンでない可能性もあることを意識して、日常会話でうっかり当然ワイドスパンだというテンションで会話をしないようにしましょう。

ワイドスパンじゃないマンションなんて、ありえないよね~!

え、うちはワイドスパンじゃないけど…
結論:ワイドスパンに限定しての住宅探しはやめておく
最後までご覧いただきありがとうございました。
ワイドスパンは、居住性が良い傾向が多いですが、ご覧のようにデメリットもあります。
ワイドスパンを限定して住宅を探すのはおすすめしません。
全体的に数が限られており、何かしらの事情でワイドスパンとせざるを得ない状況でワイドスパンとなっている住戸あります。
他の条件で間取りを探していただき、見つかった間取りがワイドスパンの場合、この記事のメリット・デメリットを見て頂ければ幸いです。
この記事が少しでもみなさんの住宅選びの参考になれば幸いです。
本日もありがとうございました!
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