高齢者は賃貸物件を借りられない?不動産セールストークの嘘

住宅購入

不動産購入を勧めるセールストーク

不動産購入を勧めるセールストークに、

高齢者になると賃貸住宅を借りられないので、今のうちに購入した方が良いですよ

というものがあります

れは本当なのでしょうか?

この記事では、高齢者が賃貸住宅を借りにくい理由とその対策について解説します

この記事はこんな人におすすめ
  • 高齢者になって住むところがなくならないか心配
  • 高齢者でも借りられる賃貸物件を知りたい

結論:借りにくいが、どこかは借りられる

結論としましては、

高齢者になると賃貸物件を借りにくくはなるが、どこかは借りることができる

という結論になります

つまり、過度に心配する必要はありません

その理由は、以下のとおりです

人口減少

今後、日本は人口が減少し、2048年には1億人を割る予想となっています

人口が減少するにつれて、住宅の需要が落ち込みます。つまり、空き家が増えることになります

空き家が増えるほど、物件を借りやすくなるため、今より賃借人(借りる人)にとって有利な条件へと進んでいきます

高齢化社会

高齢者(65歳以上)の全人口に対する割合は、2021年では29.1%ですが、2040年には35.3%まで増加する見込みです

つまり、高齢者を入居させない賃貸物件は、人口3分の1の人を断るわけですので、経営が厳しくなるのは目に見えています

今後、高齢者を断る大家は生き残れない時代になってくるでしょう

高齢者が賃貸物件を借りにくい理由

そもそも、なぜ高齢者は賃貸物件を借りにくいのでしょうか?

ここでは主な理由を4つご紹介します

収入が低い

高齢者になると収入が年金のみという人も多いでしょう

貯蓄が多くあれば良いですが、賃貸物件の審査で貯蓄額を聞くことはありませんし、仮に貯蓄額を伝えたところで本当かどうかわかりませんので、収入が低い高齢者を大家は敬遠します

孤独死の恐れがある

高齢者ひとり暮らしの場合、孤独死の可能性があります

孤独死の場合、特別な清掃が必要になったり、事故物件扱いになるため次の入居者が決まりづらかったりと、大家にとっては大きなリスクになります

認知症の恐れがある

入居者が認知症になり、近隣住民とトラブルを起こしたり、家賃を滞納したりする可能性があります

入居者本人に注意して解決する問題でもないため、大家としてはとても頭を抱える問題になります

保証人がいない

賃貸物件を借りる場合は、保証人が必要となる場合がほとんどです

高齢者で、親が他界しており、子供もいない場合などは、保証人となってくれる人がいません

保証人が見つからない場合は、家賃保証会社の保証を受けるしかありませんが、家賃保証会社の保証も収入が低いと受けられない場合もあります

高齢者でも借りることのできる賃貸物件

それでは、次に高齢者でも借りることのできる賃貸物件を見ていきましょう

公営住宅

都道府県や市区町村が低所得者向けに運営している住宅です

年齢制限もありませんので、高齢者でも安い家賃で入居することができます

ただし、人気が高く入居は抽選のため、入居できるかは運次第となります

入居を希望される場合は、気長に毎回抽選に参加するのが良いでしょう

なお、入居するには、その都道府県・市区町村に居住している、勤務しているなどの条件がありますので、申し込み要綱を確認しましょう

「○○県 県営住宅」、「〇〇市 市営住宅」と検索するとヒットします

UR賃貸住宅

保証人なし、敷金・礼金・仲介手数料なしのため、入居しやすい住宅となります

公営住宅とは違い、低所得者向けではありませんので、家賃が安いわけではありません

また、URでは高齢者向けの賃貸住宅も運営しており、様々なサービスを受けることができます

UR賃貸住宅|賃貸マンション・大規模マンションの物件情報
UR賃貸住宅は礼金ナシ・仲介手数料ナシ・更新料ナシ・保証人ナシ。一人暮らしの方も子育てファミリーも、都心から郊外まで豊富な物件の中から抽選なし・先着順でお探しいただけます。

サービス付き高齢者住宅

いわゆる「サ高住」です

安否確認や生活支援サービスを受けることのできる賃貸住宅です

「一般形」と、介護が手厚い「介護型」があり、安いほうの「一般形」でも、月額5~25万円程度と高額なのが難点です

サ高住がどこにあるか調べたい場合は、以下のサイトが便利です

サービス付き高齢者向け住宅を探す|サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム
全国の都道府県に登録されたサービス付き高齢者向け住宅の登録情報、運営情報をオンラインで検索できます。全国のサービス付き高齢者向け住宅の基本情報、設備情報、費用、サービス、特徴、運営情報など、住宅ごとの概要をご説明いたします。

賃貸物件を借りられなければ路頭(ろとう)に迷うのか

なぜこれまで住んでいた家を出るのか?

高齢者になって家がなくなったらどうしようと悩まれた場合、考えていただきたいのは、なぜこれまで住んでいた家を出るのかということです

今住んでいる家が賃貸の場合でも、

「あなたは80歳になったので出て行ってください」

と言われることはありません(言われたとしても、出ていく必要はありません)

大家から立ち退きを求められる場合は、正当な理由がある場合に限られます

立ち退きを求められても、安易に応じることなく、拒否の意思を示しましょう

それでも心配なら戸建てを購入

それでも老後の住まいが心配なら、住宅を購入するとすべての問題は解決します

ただ、いつ買うかは良く考えましょう

不動産購入を勧めるセールストークでは、若い世代の人に対して、

「高齢者になると賃貸物件が借りられないので、今のうちに購入しておきましょう」と勧めるわけですが、高齢者になっても、お金があると買うことはできるわけです

分譲マンションも建て替えの可能性あり

分譲マンションを購入した場合、いずれ建て替えの時期になります

住民(区分所有者)の5分の4が賛成すれば建て替えが決定しますので、購入した場合でも、マンションの場合は必ず老後まで安心とは言えません

また、この5分の4という数字は今後見直される可能性が高く、建て替えがより加速していくと考えられます

最後に

最後までご覧いただきありがとうございます

先にも記載しましたが、高齢者でも、賃貸物件を借りにくくはなるが、どこかは借りることができます

もちろん100%問題がないとは言えませんが、そのために住宅を購入するより、現在の住宅に適切な支出を行い、将来に対して貯蓄する方が良いでしょう

皆さんはどのようにお考えですか?良ければコメント欄よりお考えをお聞かせください

この記事が皆さんの住宅選びの参考になれば幸いです

本日もありがとうございました

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