壁芯面積と内法面積の違い

壁芯面積、内法面積など、建築物には様々な面積が存在します。
聞きなじみのない言葉かもしれませんが、その言葉の意味をしっかり理解できていると、購入される住宅の面積を正しく把握し、また適切に他の住宅と比較することができます。
本記事では、壁芯面積・内法面積がどのような場面で使用されるかを解説し、住宅を選ぶ際の注意すべき点についてもご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
- 壁芯面積・内法面積の違いを知りたい
- 壁芯面積・内法面積で注意しておくポイントを知りたい
- 専有面積は壁芯面積・内法面積どちらの面積なのかを知りたい
壁芯面積と内法面積が使われる場面
専有面積は壁芯面積
住宅の広告で良く見かける「専有面積」として記載されている面積は、どの面積を使うか明確な基準はありません。
しかし、少しでも広く見せたいからなのか、専有面積=壁芯面積とする場合がほとんどです。
壁芯面積は、主に建築基準法などに基づいて、面積を算出する際に用いられる面積です。
壁の厚みの中心で測るので、壁芯面積と言います。
内法面積はマンションの登記簿の面積
内法面積は、マンションなど区分建物の登記簿に記載される面積となります。
外周部の壁の厚みを除いた内側の寸法なので、内法面積と言います。
また、登記簿に記載される面積は、後述します各種公的な補助や減免措置などを算定する際に使用される面積になります。

内法面積の方が、壁芯面積より小さくなるわけだね!
戸建て住宅は壁芯面積のみ
登記簿に記載される面積は、マンションは内法面積となりますが、戸建て住宅は壁芯面積となります。
これは、
不動産登記規則 第百十五条
建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。
と定められているからです。
つまり、戸建て住宅で内法面積を使う機会はまずありません。

なんで戸建てとマンションで基準が違うんだろう・・・?
内法面積で税金も計算されるため、外周の壁の厚みの半分の面積は、戸建て住宅はマンションより損をしているとも考えられます。
重視すべきは内法面積
では、壁芯面積と内法面積のどちらを重視すれば良いのでしょうか。
答えは、内法面積です。なぜなら、実際に私たちが使用することのできる面積は、内法面積だからです。

不動産屋さんに、内法面積も聞いておこう!
アウトポール設計のマンションは、そうでないマンションと比べて、内法面積が大きいため、実際に使用できる面積も多くなります。
アウトポール設計については、以下の記事もご参照ください。
壁芯面積と内法面積の差を注意する場面
先述しましたとおり、住宅の購入を行う際、専有面積は壁芯面積で表記されていることがほとんどです。
そのため、マンションの場合、壁芯面積(専有面積)と内法面積に差があることで、問題が生じる場面があります。
以下の各種控除や措置は、登記簿の面積(内法面積)で対象が定められています。
- 住宅ローン控除・・・40㎡以上または50㎡以上
- 住宅取得等資金[の非課税制度・・・40㎡以上または50㎡以上、240㎡以下
- 登録免許税の軽減措置・・・50㎡以上
- 不動産取得税の特例措置・・・40㎡以上または50㎡以上、240㎡以下
- 相続時精算課税制度・・・40㎡以上
(これらには細かく条件がありますので、必ず詳細をご確認ください)
専有面積がこれらの数値に近い場合は、内法面積で計算すると対象外となってしまうことのないように注意しておきましょう。

専有面積42㎡のマンションだと、登記簿の面積は40㎡を切りそうだね。
マンションの角部屋は壁芯面積と内法面積の差が大きい

マンションの角部屋は、角部屋でない住戸と比べて壁芯面積と内法面積の差が大きくなりがちです。
角部屋は、外気に面している面積が多く、外気に面している壁には、断熱材や仕上げ材が施工されているため、壁の厚みが多くなるからです。
さらに、角部屋は柱が室内側に入り込んでいる場合が多いため、さらに壁芯面積と内法面積の差が大きくなります。

角部屋は内法面積もよく確認しないといけないね!
タワマンは内法面積で損している可能性も
壁の厚みはタワマンが有利
20階を超えるようなタワーマンションは、マンション構造を軽量とするために、壁を乾式壁と呼ばれる軽量鉄骨とボードで作られていることがほとんどです。
タワーマンションで多く用いられる壁の厚みは136mmです。
一方、20階以下の片廊下型などで多く採用される壁は、湿式壁と呼ばれコンクリートの壁になります。壁の厚みは180mm程度のものが多いため、同じ専有面積であった場合、壁の厚みのみで言うと、内法面積は、壁の厚みが薄いタワーマンションが広くなります。
なお、マンションはその仕様により壁の厚みは様々です。そして壁の厚みは防音性に直結します。防音性については、以下の記事をご参照ください。
柱が内法面積に入る場合も

一方、注意しなければならないのは、柱が室内に位置しているタワーマンションです。
柱が住戸の周囲に位置している場合ですと、内法面積には含まれないため、実際使用できる面積に近い面積が内法面積となりますが、完全に室内に柱が位置している場合、内法面積に柱の面積も含まれてしまいます。
タワーマンションのすべての柱が住戸の内側にあるわけではありませんが、ご自身の間取りが柱を取り込んでいる形状の場合、内法面積にカウントされ、損している可能性もあります。

柱1個分の面積を損するところだった!
最後に
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
今回は、壁芯面積・内法面積がどのような場面で使用されるかと、住宅を選ぶ際の注意すべき点についても解説しました。
住宅を購入する際は、専有面積に気を取られ、内法面積をはじめ、実際に使用できる面積に気づかないこともあるでしょう。
この記事がそんな方の手助けになれば幸いです。
ご質問はコメント欄より随時お待ちしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
本日もありがとうございました!
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