天井高と階高とは
を指します。
簡単に言いますと、
- 床や天井の厚みを含めず、部屋に入った時に目で見える高さが「天井高」
- 天井ボードや床フローリングを撤去し、床のコンクリートから天井のコンクリートまでの高さが「躯体天井高」
- 天井や床のボードやフローリングとコンクリートや厚みを含めたものが「階高」
というイメージで良いでしょう。
その部屋に住む人にとって、気にすべきなのは「天井高」です。
さて、ではその天井高は、いくらが適切なのでしょうか?
この記事では、天井高はどの程度が適切か、また、どうやって天井高が決まっていくのかについて解説します。
天井高の平均と天井高の確認方法
天井高の平均は?
マンションの天井高は、2400mm~2550mmが平均です。
洋室は若干低めのこともあります。
水回りや廊下は、2100mm程度と低くなっていることが多いでしょう。水回りや廊下の天井が低いのは、換気ダクトが天井裏に設けられていたり、水回りだけ床スラブが下がっている場合があるからです。
なお、建築基準法では、居室の天井高さは2.1m以上と定められています。
ポイントとしては、「居室」なので、水回りや廊下、キッチンなどは対象外です。
また、建築基準法の天井高の2.1mという基準は、部屋の平均の高さとなっており、一部下がり天井などがある場合は、その部分の高さと平均する必要があります。
天井高の確認方法
図面では、「CH=2400」などと書かれています。これは、天井高は2400mmであることを示しています。
なお、CHは「シーリング・ハイ」の略で、天井高さの略です。
間取り図に記載されている場合もありますが、記載がない場合は「天井高がわかる図面を見せてください」と頼めば、見せてもらえます。
ご自身で確認する場合は、意匠図の平面詳細図か天井伏図で「CH」の表記があるかを確認してみましょう。または、展開図(各部屋の内観を横から見た図)でも確認できます。
天井高が高いメリット・デメリット
メリット:開放感がある
天井高が高いメリットは、開放感があることです。高級な住宅ほど天井高が高い傾向にあるように、天井高が高い方が広々とした空間となります。
また、天井高は下げることはできても、上げることは難しいため、天井高が高いということは、今後の自由度の面でもメリットとなるでしょう。
デメリット:光熱費がかかる
天井高が高いと部屋の容積が大きくなるため、冷暖房や換気の光熱費がかかるようになります。
もちろん、そのマンションの断熱性などによって、その影響は大きく異なります。
マンションの天井高の決まり方
マンションの天井高は玄関扉上の「梁せい」で決まる
では、マンションの天井高はどのように決めているのでしょうか。
実は、鉄筋コンクリート造の場合、設計者は当初から天井高を何ミリにしようと計画して設計をしている訳ではありません。
設計者の考える順番は以下のとおりです。
- おおまかな平面計画を作成し、構造の検討を行う
- 間口の「梁せい」(梁の高さのこと)を決める
- 玄関扉の設置に必要な高さに、梁せいを加えて、階高を決める
- 階高から、スラブの厚さと、床・天井の仕上げ材の厚みを引いたものが、天井高となる
このように、天井高は他の条件から自然と決まってくるのです。
確かに、マンションの玄関扉は梁ギリギリに設置されている気がする
低層階ほど天井高が高い場合も
マンションの構造は、低層階ほど大きな荷重を受けるため、柱や梁が大きくなることが多く、そのため低層階ほど梁せいが大きくなる場合もあります。
梁せいが大きい低層階の方が、階高が高くなり、天井高が高くなることがあるのです。
低層階ほど高級にしているんじゃないんだね!
下がり天井に要注意
柱と柱の間には、梁があります。また、梁と梁の間にも小梁(こばり)と呼ばれる梁があることもあります。
さらに、ダクトによって天井が下がっている部分もあります。
一番高い部分の天井高だけでなく、梁によって天井が下がっている部分がないか、購入前に確認しておきましょう。
なお、二重天井であっても、梁やダクトが隠れるとは限りません。むしろ隠れるマンションはほとんどないでしょう。
リフォームをする場合は躯体天井高に注目
もし、あなたが家のリフォームを検討されているようでしたら、「天井高」だけでなく、「躯体天井高」にも注目しておきましょう。
天井高は、仕上げ材によって変えることができますが、躯体天井高は変えることができません。
住宅性能評価を取得しているマンションの場合、住宅性能評価書には躯体天井高の記載がありますので、図面又は住宅性能評価書を確認しましょう。
僕はマンションを購入したらスケルトンにしてリフォームするから、現在の天井高より、躯体天井高に注目するね!
最後に
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回は、天井高はどの程度が適切か、どうやって天井高が決まっていくのかについて解説してきました。
間取り図に天井高は載っていないことも多いため、見落としがちなポイントですので、ぜひ購入前にはご確認ください。
この記事が、その一助になれば幸いです。
ご質問・ご意見も随時コメント欄よりお気軽にお寄せください。
本日もありがとうございました!
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