マンションの駐輪場は不足する
マンションにお住まいの方で、駐輪場が不足しているという方は、かなり多いのではないでしょうか?
どのマンションでも程度は違いますが、駐輪場は不足している傾向にあります
買う時に駐輪場なんて意識していなかった~という方もいらっしゃるかもしれません
そこで、本記事では駐輪場不足に悩まないために、
- マンション購入前に確認したい駐輪場のチェックポイント
- マンション購入後に駐輪場不足した場合の対策
について解説していきます
- マンション購入前に、駐輪場でチェックすべきポイントを知りたい方
- 今お住まいのマンションで駐輪場が不足している方
マンションの駐輪場が不足する理由
マンションの駐輪場が不足する理由は、単純に自転車の台数に対してスペースが足りないからとうパターンがほとんどです(台数についてはは後述します)

単純だね
どのマンションでも不足するなら、なぜもっと作っておかないのかと思われるかと思いますが、マンションの設計者は、とにかく法的にギリギリまで住戸を確保しようとします
そして、住戸のボリュームが固まってきたところで、外構部分のプランを考えます
外構部分には、駐輪場の他にも、通路や消防活動空地、駐車場、条例等で定められている緑地や公園を設ける必要があり、決して余裕があるわけではありません
また、不足する期間は、こどもが小学校~高校の間くらいの間がメインですので、あまり多くしすぎるのも効率的でないと考えているからです
マンションの駐輪場でチェックすべきポイント
駐輪場チェックポイント①:駐輪場の台数
マンション購入する際や、現在駐輪場不足でお悩みのかたは、まず駐輪場の台数をチェックしましょう
駐輪場の台数は、
- ワンルームマンションは、1戸につき1台
- ファミリーマンションは、1戸につき2台
以上の台数が目安
自治体の条例で、これらの台数が求められている地域もあります
ただし、ファミリーマンションは、1戸につき2台でも不足します。これが駐輪場不足の原因です

我が家は、お父さん、お母さん、お姉ちゃん、僕の4台・・・ん!?
こどもが巣立っていくと、駐輪場台数に余裕ができ、さらに両親が高齢になって自転車に乗らなくなるとさらに余裕ができてきます
つまり、駐輪場不足が不足する時期は、家族の年齢によって変わってくるわけです。しかし、ファミリーマンションで同時に同じ年代の世帯が入居すると、駐輪場を利用する台数のピークが重なるため、大きな問題となります
駐輪場チェックポイント②:入居者専用の場所か
入居者以外が自転車を停めていないか
駅前など立地の良いマンションの場合は、通勤・通学で駅を利用する入居者以外の人が、勝手に自転車を停めている場合があります
また、近隣のマンションで駐輪場が不足している場合、近隣のマンションの住民が勝手に停める可能性もあります
駐輪場までオートロックとなっていればベストですし、無理な場合は入居者専用のシールを貼るなどして対応する必要があります

僕の友達も勝手にうちのマンションに停めてる…
駐輪場チェックポイント③:駐輪場の形状
本来、駐輪場のスペースは幅60cm×奥行190cm程度の大きさが必要とされていますが、ラックを使用すると、効率的に自転車を停めることができます
以下、様々な駐輪場の形状において、スペース効率・駐輪しやすさ・駐輪可能な自転車の種類・トラブルの発生しにくさについて、比較していきます
平置き

スペース効率:幅60cm/1台
駐輪しやすさ:〇
駐輪可能な自転車の種類:〇(どんな自転車でも駐輪可能)
トラブルの発生しにくさ:×(停め方のトラブルが発生しやすい)
まず、ただのスペースに自転車を置くという平置きの駐輪場です
自転車1台につき60cm幅が標準とされています。
平置きは、どんな自転車にも対応できる点がメリットですが、台数が増えてくると出しにくくなったり、玄関に近い場所は混雑するなど、停め方についてのトラブルが発生しやすいのがデメリットです
前輪式ラック
スペース効率:幅50cm/1台
駐輪しやすさ:〇
駐輪可能な自転車の種類:△(前輪が2輪、小さい子供用など停められない場合あり)
トラブルの発生しにくさ:〇
次は、前輪だけラックに入れる前輪式ラックの駐輪場をご紹介します
前輪式ラックの場合は、ハンドルの位置を上下にずらすことができるため、 自転車1台につき50cm程度の幅で駐輪することができます
こども用で前輪が小さい自転車や、前輪が2輪の三輪車などは、停められない場合もありますが、ラックの横に置くこともできます
停める場所が明確になっているので、停め方のトラブルが発生しにくい形式と言えるでしょう
スライドラック

スペース効率:幅40cm/1台
駐輪しやすさ:△( 同時に駐輪しにくい )
駐輪可能な自転車の種類:×(小さい・大きい自転車、三輪車は停められない場合あり)
トラブルの発生しにくさ:〇
スライドラック方式は、自転車の前輪・後輪ともラックに乗せ、ラックを左右にスライドしてスペース効率を上げている方式です
他の自転車をスライドさせながら、自分の自転車を出し入れできるので、自転車1台につき40cm程度幅と前輪式ラックより効率が良くなりますが、同時に駐輪する際は、隣の人に気を遣う必要があります
また、三輪車や小さい子供用自転車、大きいクロスバイク・ロードバイクなど、サイズに合わない自転車はラックに乗らない場合もあります
2段ラック・垂直2段ラック

スペース効率:幅22cm/1台
駐輪しやすさ:×(特に上段が駐輪しにくい)
駐輪可能な自転車の種類:× (小さい・大きい自転車、三輪車は停められない場合あり)
トラブルの発生しにくさ:〇
2段ラック・垂直2段ラック方式は、下段はスライドラックか前輪式ラック方式で、その上にもう1段ラックを設ける方式です
上段は50cm程度の幅となり、上下段合わせると自転車1台につき22cm程度の幅で停めることができます。他の方式と比べてほぼ倍ですね
ただし、上段が使いにくいのが最大のデメリットです。2段ラック方式は、ラックをおろして自転車を乗せ上段にあげる方式で、力が必要になります。垂直2段ラック方式は、電動で垂直に上下してくれるので、力は不要になります
世帯別スペース

スペース効率:幅55cm/1台 (幅110cm/2台)
駐輪しやすさ:△
駐輪可能な自転車の種類:〇(どんな自転車でも駐輪可能)
トラブルの発生しにくさ:〇
最後にご紹介するのは、1世帯ごとにスペースを割り振る方式です
1世帯ごとに幅110cm程度のスペースを確保し、平置きで2台を駐輪することになります。通常の平置き60cm幅/1台より小さめの55cm幅/1台となります。ただし、寸法はマンションごとに変わりますのでご注意ください
そして、本来2台分のスペースですが、実際は3~4台停めている場合もあります
駐輪場のトラブルの多くは、自転車の停め方の問題で、停めてはいけないところに停めたり、出し入れしにくかったりという点が問題であることを考えれば、同じ世帯の中で出し入れしにくくても特に問題にはなりません。ある意味、トラブルになりにくい形状と言えるでしょう
また、平置きのため、どんな自転車にも対応可能です
駐輪場の形状 まとめ
これまでご紹介してきました駐輪場の形状をまとめると以下のとおりです
駐輪場形式 | スペース効率 | 駐輪しやすさ | 駐輪可能な自転車の種類 | トラブルの発生しにくさ |
---|---|---|---|---|
平置き | 60cm/台 | 〇 | 〇 | × 停め方のトラブルが発生いしゃすい |
前輪式ラック | 50cm/台 | 〇 | △ (前輪が2輪、小さい子供用など停められない場合あり) | 〇 |
スライドラック | 40cm/台 | △ (同時に駐輪しにくい) | × (小さい・大きい自転車、三輪車は停められない場合あり) | 〇 |
2段ラック・垂直2段ラック | 22cm/台 | × (上段は特に駐輪しにくい) | × (小さい・大きい自転車、三輪車は停められない場合あり) | 〇 |
世帯別スペース | 55cm/台 | △ (スペースが狭め) | 〇 | 〇 |
駐輪場チェックポイント④:その他、気を付けて見ておきたい点
その他にも、駐輪場でチェックすべきポイントを見ておきましょう
- 屋根はあるか(雨に濡れずに家まで行けるか)
- 死角になっていないか
- 管理が行き届いているか(ゴミが散乱していないか)
上記の項目も確認しておくのがおすすめです
マンションの駐輪場が不足したら?
では、実際に駐輪場が不足したらどうしたらよいのでしょうか?
駐輪場はマンションの共用部ですので、管理組合で検討してもらうように依頼することから始まります
管理組合の役員に知り合いがいないようでしたら、管理会社を通じて依頼しましょう

駐輪場が不足しているので、対応を管理組合で話し合ってもらえませんか?
駐輪場が不足した場合の対策①:不要な自転車を処分
不要となっている自転車が放置されている場合は、まず処分をしましょう
一般的には、マンションの住民に自転車に貼るシールを配り、そのシールが貼られていない自転車を一時的に敷地内のスペースに移動、引き取りがなければ処分という流れになります
駐輪場が不足した場合の対策②:スペース効率の良いラックに変える
不要な自転車を処分しても駐輪場が不足するようでしたら、先述しました駐輪場の形状を変えることにより、多くの台数を駐輪することができます
例えば、現在平置きの駐輪場(60cm/1台)の場合、スライドラック (40cm/1台) に変更すると、1.5倍の台数を停めることができます
なお、2段ラック・垂直2段ラックを検討される場合は、現状の屋根や天井の高さ内で納まるかを注意しておきましょう
駐輪場が不足した場合の対策③:駐輪場を増設する
スペース効率の良いラックに変えても駐輪場が不足するようでしたら、駐輪場を増設するしかありません
ただし、建築面積・延べ面積が増える場合、様々な規制がありますので、必ず設計事務所等に相談をしてください
ここでは、よくある事例を記載しておきます
- 共用廊下に停めても良い? → 廊下幅員が確保できるか確認が必要です。また、マンションの規約を変更する必要があります
- ピロティに停めても良い? → ピロティが床面積に参入されているかの確認が必要です。新たに用途が発生する場合は増築扱いとなります
- 敷地内通路に停めても良い? → 敷地内避難経路の幅や、消防の進入路になっている可能性があります
- バルコニーの前に、ちょうどいいスペースがあるのですが? → 消防活動空地の可能性があります
- 共用廊下のすぐ横に増築したい → 共用廊下の開放性がなくなるとみなされる場合があります
- 住棟から離れた場所なら増築しても大丈夫? → マンション敷地に高低差がある場合は、平均地盤面が変わり、他の棟の日影規制に影響します

ちょっと何言ってるか、わからないです…
つまりダメってこと?

様々な法規制が関係しますので、専門家に相談してください
駐輪場を増設したい場合は、必ず設計事務所等の専門家に相談しましょう
駐輪場が不足した場合の対策④:共用自転車の導入
近年では、共用自転車を導入するマンションが増えつつあります
自転車が溢れているマンションでも、昼間自転車が0台になっていることはありません。つまり、同時にすべての自転車が使われるわけではありません
共用自転車にすることで、自転車の台数を抑えることができるため、駐輪場スペースの削減につながるほか、それぞれ個人で買うより安くなる可能性もあります
ただし、今現在それぞれが自転車を所有しているわけですので、どの段階で共用自転車に置き換えていくのかは、難しい面もあるでしょう

今持っている自転車どうするの?…

最後に
最後までご覧いただき、ありがとうございました
駐輪場不足は、多くのマンションで問題となっています
一方で、マンションを購入する時には、あまり意識しない点かもしれません。この記事がマンション購入の際の参考になれば幸いです
また、私のマンションはこうやって駐輪場不足を解決したよ!という方法や、このほかにも悩んでいる内容があれば、ぜひコメント欄よりお寄せください
本日もありがとうございました
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