一級建築士は足の裏の米粒
「一級建築士は足の裏の米粒」だという話を聞いたことはありますか?
これは、取らないと気持ち悪いが、取っても食えないことから、このように言われています
おもしろい表現ですが、これは本当でしょうか?
この記事では、一級建築士、二級建築士、木造建築士ができる業務を解説し、あなたのマイホームを設計してもらう設計担当は、一級建築士とすべきかについて解説します
一級建築士・二級建築士・木造建築士ができること
建築士の種類
建築士には、
- 一級建築士
- 二級建築士
- 木造建築士
という3つの資格があります
それぞれ、設計や工事監理ができる規模が違います
なお、このほかに設備設計一級建築士、構造設計一級建築士という資格もあります。これは、平成18年より新しく創設された資格で、一級建築士の中でも、設備・構造のスペシャリストとなる資格です
戸建て住宅の設計は誰ができる?
上記の表を見ていくと、
- 100㎡(約30坪)以下の木造平屋・2階建てなら、資格は不要
- 100㎡超~300㎡以下の木造平屋・2階建てなら、一級・二級・木造建築士
- 300㎡以下の木造3階建てなら、一級・二級建築士
- 300㎡以下の鉄骨造なら、一級・二級建築士(2階建てかつ30㎡未満を除く)
の資格が必要だということがわかります
つまり、一般的な戸建て住宅の場合、一級建築士の資格が必要な場合はほとんどありません
設計者の名前で審査は通さない
マイホームを設計してもらう設計者が資格を持っていても、その人の名前ではなく、設計事務所の代表者の名前で審査を通すことがほとんどです
これは、設計業界の(悪い?)風習とも言えるでしょう
時代によって試験の難易度大きくは違う
昔は過去問を覚えれば合格できた
一級建築士の難易度は、年々上昇していると言われています
60代以上の一級建築士は、過去問を覚えれば合格できたと言っている人もいますが、今では予備校に通い1200~1300時間勉強しないと合格できない試験となっています
さらに近年では、一級建築士の受験者数の減少のため、受験資格を拡大したことにより、さらに倍率が上がってきています
資格取得の年月を確認しよう
建築士法第19条の2より、建築士は、設計等の契約の委託者(委託しようとする者を含む。)から請求があつたときは、建築士免許証を提示する義務があります
いつ資格試験に合格した人か気になる場合は、確認しておきましょう
資格より経験、経験より人柄で判断
マイホームの設計が二級建築士や木造建築士だと不安?
あなたが、これからマイホームを予定されていて、設計者が二級建築士や木造建築士の資格しか持っていない場合、不安に思われるかもしれません
戸建て住宅の設計者は、戸建て住宅ばかりを設計していることがほとんどのため、仕事上は一級建築士の資格は必要ないという場合がほとんどです。その中で、一級建築士の資格を持っているということは、勉強熱心で向上心のある設計者だと言えるでしょう
しかし、資格の有無だけで心配になる必要はありません
資格より経験
マイホームを新築する際は、設計者が図面を作成しますが、それだけではなく、確認検査機関などがその図面や現地を確認してくれます。確認済書・検査済書をもらえれば、関係法令はクリアしていることになります
設計者の資格の有無より、これまでどの程度の経験があるかが、設計の品質に大きく左右します
もちろん、法的に必要な資格を持っていないようでしたら設計者を変えてもらいましょう
経験より人柄
経験を積んだ設計担当なら、良い設計ができるかというと、そうではありません
なぜなら理想とする設計のイメージを持っているのは、施主であるあなただからです
あなたが一緒に設計を進めていきたいと思う設計担当を選ぶのが何よりの優先項目です
リフォームこそ資格が重要
リフォームは検査機関の目が入らない
一方、リフォームの場合は注意が必要です
ほとんどのリフォームの場合は、検査機関の審査を必要としないため、検査機関の目が入りません
知らぬ間に違法状態になることも
リフォームの設計を行う場合、建築士の資格を持っている設計者の場合は、新築を担当することも多く、法的な知識もあるため、比較的安心して設計を任せることができますが、資格を持っていない設計者の場合、体系的に知識を学べていないため、知らぬ間に違法状態になるリフォームをしてしまっていたという可能性もあります
筆者も色んな建物を見ていますが、かなりの数の建物があとから違法状態にリフォーム・リノベーションされています
簡単なリフォームの場合は、設計者ではなく工務店などが設計を行う場合も多くありますので、注意が必要です
最後に
最後までご覧いただきありがとうございます
今回は、設計者の資格について解説しました
資格を持っていると、その人のレベルがわかるような気になりますが、決してそのようなことはありません
資格を参考にしつつも、その他の点も考慮し、あなたが一緒に設計を進めていきたいと思う設計者を選んでください
この記事が、良い設計者を見つける一助になれば幸いです
本日もありがとうございました!
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